肺がん

はじめに

肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分かれます。小細胞肺がんは限局期には薬物療法と放射線治療の併用療法、進展期には薬物療法が行われます。非小細胞肺がんは、早期例では手術が第一選択で、手術不能例で遠隔転移や悪性胸水・心嚢水を伴わない場合は放射線治療や薬物療法との併用療法が行われます。また、遠隔転移などを伴う場合は薬物療法が行われます。

陽子線治療の適応

遠隔転移のない非小細胞肺がんが適応です。また、再発病変も適応になることがあります。

陽子線治療の方法

末梢型で66Gy(RBE)/10回、中枢型で72.6Gy(RBE)/22回の照射を行います。
局所進行例では多くの場合薬物療法と併用します。薬物療法と併用する場合、薬物療法は近隣の病院と連携して行います。

当センターの治療方法の特長

●肺の病変は透視画像で確認できることが多いのですが、確認できない場合は、病変近傍に微小な金属マーカーを挿入します。あらかじめ、金属マーカーと病変の位置関係を測定し、金属マーカーの位置が治療計画時と照合することを毎日確認してから照射します。より正確性の高い照射が実現できます。

●呼吸同期照射を行っています。肺は呼吸によって大きく動く臓器ですので、呼吸に合わせて一定のリズムで照射を行います。当センターでは呼吸のフェーズを10分割して、その1フェーズのみ照射します。これにより肺炎のリスクを抑えた高精度な治療が可能です。

下図は陽子線治療を行った早期非小細胞肺がんの1例です。