陽子線治療

肝臓がん

はじめに

肝臓がんは肝臓自体から発生する原発性肝がんと、肝臓以外に発生したがんが転移してきた転移性肝がんに大別されます。原発性肝がんは、日本では男性で5番目、女性で10番目の罹患率(2021年度全国がん登録)で、原発性肝がんの約95%は肝細胞由来の肝細胞がんです。肝炎ウイルス感染が発がんの誘因になりやすいこと、多発する傾向が強いことが知られています。

陽子線治療の適応

肝細胞癌診療ガイドライン(2025年版)による肝細胞がんの陽子線治療の適応は「1~3個の肝細胞がんにおいて、脈管侵襲の有無にかかわらず、肝切除・アブレーションが困難な場合」とされています。すなわち、図の赤い矢印の範囲で、手術やラジオは焼灼療法のオプションとして根治治療の適応があります。腫瘍径は10cm未満であれば治療効果にあまり大きな差が出ないことが知られています。また、図の青い矢印の範囲で、手術や薬物療法のオプションとして緩和治療の適応があります。肝細胞がんは多発する傾向があり、治療後に新たな病変が肝臓内に出現する可能性があります。その際、治療方針を決めるのに重要なのは肝予備能です。陽子線治療は肝臓へのダメージが小さく、次の治療の妨げになりにくい治療法です。また体への負担も少ないので高齢者にも優しい治療法です。保険適応は腫瘍径4cm以上です。

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