センター長 挨拶

神戸陽子線センターは日本で初めて小児がんに重点を置いた陽子線治療施設として平成29年12月開設しました。しかし、神戸陽子線センターは成人の治療も積極的に行っており、治療の2/3は成人の患者さんです。ポートアイランド内で交通の便の良い立地の利点を生かし、働きながらでも通院できますし、ポートアイランド内の多くの医療機関と密に連携をとりながら、高度の医療を行っています。全体の4割をしめる前立腺がんの患者さんだけでなく、保険診療で治療できる骨軟部腫瘍や頭頸部腫瘍も多くの治療に当たっています。保険診療外でも食道がん、肺がん、膵がんなどの化学陽子線治療も近隣の施設と協力して治療に当たっています。当センターはブロードビーム照射による従来の粒子線治療方法だけでなく、スキャニング照射という照射方法など最新の粒子線治療にも対応しています。

小児がんの放射線治療は、集学的治療の一環として重要な役割を担っています。しかし、治療成績が向上するにしたがって、がんサバイバーが増加し、長期生存者の晩期合併症が問題になってきています。せっかくがんが治っても、心臓合併症や知能障害、難聴、不妊、二次がんなど種々の晩期合併症に悩まされることがあります。こういった状況の中、陽子線治療は放射線治療後の晩期合併症を減らせる可能性がある治療法として非常に期待されています。神戸陽子線センターの小児がんの治療実績としては1年目から全国トップレベルの症例数となり、日本全国から多くの患者さんが紹介されるようになってきました。より一層、患者と家族の皆様方のご期待に添うよう良い医療をするよう努力していきたいと思います。

今後も陽子線治療にメリットのある疾患に対して多くの患者さんのためにスタッフ一同頑張っていきたいと考えています。

神戸陽子線センター長 副島俊典

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